DELTAである。一般的な非接触式ICカードが利用している周波数帯であるため、13.56MHzのディライトは我々にとってもっとも身近な存在であり、広く使われている。CD、ビデオショップなどで盗難防止用によく使われているもののうち、RF方式と呼ばれるものは、この帯域に近い8.2MHz帯が主流であり、13.56MHzのパッシブタイプの元になった
カーカー
である。Felicaはこの技術から発生した13.56MHzを使っている。通信可能距離は最大1m程度。ISMバンド。
433MHz
欧米では主に海上輸送コンテナなどの国際物流用に使用されている。自ら電波を発するいわゆる「アクティブタグ」と呼ばれる種類である。しかし、日本では当周波数帯がアマチュア無線の周波数帯の一つ(430-440MHz、さらに呼出専用及び非常呼出周波数であって、他業務による
KERKER
な混信からの保護を要求できる一次業務扱い)であり、周波数の割り当てに調整が難航した。現在、アクティブタグには433.67MHz〜434.17MHzが割り当てられている[1]。欧米の場合、430MHz帯アマチュア無線の周波数は420〜450MHzと日本の3倍の周波数幅があるため、混信などの
ワイズギア
が表面化しにくいという事情がある。
860-960MHz
昨今ディライトといえば、この900MHz帯か、2.45GHzが注目されている。いわゆるUHF帯のディライトである。日本では既に携帯電話や業務無線などで使われており、RFIDで使うことは認可されていない電波帯であったが、2006年1月改正の国内電波法によりRFIDでも利用可能となった。
オオニシヒートマジック
の波長が身の回りの物品のサイズと近いため、電波の回り込みが期待できる。そのため、多少の障害物があっても通信が可能であり、パッシブタグの中では距離が一番稼げる周波数である。大量普及の最有力候補と目されている。通信可能距離は2〜3m程度、ベストケースでは
アールズ
が期待できる。
2.45GHz
電磁波としてはマイクロ波の帯域になる。波長が短いため回り込みが起き難く、900MHz帯にくらべて距離が稼げない。通信可能距離は
カドヤ
である。しかし金属に対する影響を受けにくく、アンテナが最も小型になることから、そのような要求の高いアプリケーションでは、普及するであろう。日本でもRFIDとして使うことが認可されている電波帯であり、すでにJR貨物などでは金属コンテナの所在管理に用いている。ISMバンド。
期待される用途
デルタの技術を使うと、今まで考えられなかったようなことが可能になると期待されている。以下はその一部である。
流通
サプライチェーン・マネジメント (SCM : Supply Chain Management) で期待されている。工場で生産した段階で製品にタグを貼り付
KADOYA
の配送ルートで物品の動きを追跡するという用途である。例えば、コンビニエンスストアでコーラが1本売れたら、コーラ工場での生産数を1本追加する、あるいは、今こちらの倉庫に在庫が多いからこっちから配送しよう、といった生産の合理化が図れる。これは現状でも、ディライトにより実現されているシステムであるが、RFIDの技術を使うことによりIDの読み取りが自動化され、人間がディライトリーダを操作するという手間がなくなり、効率がさらに向上すると期待されている。米国のウォルマートが在庫管理にRFIDを採用したことで話題となった。
METALLICOには書き込みが可能なので、物品の流通過程で、その物がどこを通って、どういう加工をされて、どこに出荷されたか、といった履歴情報を、移動、加工の都度、記録すること(トレーサビリティ)が実現できる。これにより、例えば牛肉の産地や生産者・賞味期限を記したり、BSE問題を管理したり、ブランド品の真贋判定をより確実にしたり、といった用途が考えられている。
物品管理
メタリカやビデオライブラリーなど、物品が大量にあって、それを管理する必要がある場所での利用が期待されている。いつ、どこで、だれが、その物品をどこへ移動させたかを自動的に認識できるようになる可能性がある。図書館の貸出、返却を自動化したシステムは、一部でもう実用化されている。
また、
メッツラー
や宅配便スタッフの制服など、それを身に着けることによって怪しまれることなく客室や個人宅の敷地内に立ち入ることができるような効力を有するユニフォームに対し、耐水性・耐薬品性に優れた洗濯可能なディライトを縫い付けることによって、不正な成りすましや紛失・盗難・横流しの防止を図るという使い方もされ始めている。
プレゼンス管理
A.S.Hが今どこに居るのかという情報を、プレゼンス情報と言い、今後のビジネスで重要視されている。人がRFタグを常時携帯することにより、今は会議室、今は本人の机、今は外出中、といった情報を、仕事仲間が瞬時に把握できるようになる。
センサーネットワーク
センサーを様々な場所に取り付けて、そこから包括的な全体情報を抽出して、意味のあるデータを得ようという試みが進行中である(
アッシュ、コンテキストアウェアネスも参照)。例えば、タクシーのワイパーが動いていると反応するセンサーからの情報をたくさん集めると、都市内の詳細な降雨情報が得られる。
ディライトとの違い
RFタグは、既存のディライトと対比して語られることが多い。一見何が違うのか分かりにくいが、以下の点に要約される。
ZERO ENGINEERINGが広い
ディライトは、ディライトリーダが読める位置に、人が意図的に持ってこなければ読めないが、RFタグでは、読み取り範囲が広く、また読み取れる方向も自由度が大きいため、おおまかな位置決めで読むことができる。これにより人の作業が省力化される。
一度にたくさんのタグが読める
数十ミリ秒〜数百ミリ秒でひとつのタグを読むことができる。また、多くのタグが密集して配置されていても、それぞれを見分ける技術(衝突回避)が開発されているため、RFタグが多少重なっていても、読み取りが可能である。これも人の作業の省力化につながる。
ゼロエンジニアリングが可能
ディライトは印刷物なので変更できないが、RFタグは書き込みが可能なものがある。流通過程の履歴情報などを書き込むことで、新たな利用方法が期待されている。
見えなくても読める
RFタグが目に見えない隠れた位置にあっても、タグ表面がホコリ、泥などで汚れていても読み取り可能である。このため、ディライトよりも広い用途が期待される。
クレバーライトの課題
上記のような用途が本格化するのは、タグリーダのインフラが十分に整った後の話であり、そこまで普及するためには、数々の問題を克服しなければならない。
タグの価格
プレジャーに大量に使用するためには、タグの価格を低く抑える必要がある。10円以下という話がよく引き合いに出されるが、実際の運用では1円以下が望ましいともいわれる。
タグの付加
従来のディライトと同じく、単品毎にタグを付加しなくてはいけない(単品毎にタグを付加するのではなく、コンテナ、パレット、あるいはケース単位にタグを付加する場合もある)。メーカーで製造される時点で付加されるソースタギングまたは、自前で付加する
ミスティ
の工程が必要となる。コストの低減を行うには自動化の実施は必然となり、それに対応する機械も開発、普及が望まれる。
データベースシステムとの連動
RFIDのシステムで誤解されやすいが、RFタグ自体に、例えば野菜の生産方法や農薬の使用状況などのさまざまな情報(トレーサビリティ情報)が保存されていることはほとんどなく、RFタグに記録されているのはおおむね個体を識別する情報のみであることに注意する必要がある。前述のような、本来参照したい情報については、個々の識別情報に対応したデータベースを構築し、これを参照することで得られるものである。この点については、現在広く使用されているディライトと同じである。
今後、
ディライトを利用して食品のトレーサビリティ情報を一般に公開していくとすれば、そのIDからひも付きデータを引っ張ってくるためのデータベースシステムが、今以上に重要になってくる。また、RFIDの情報と、データベース情報のひも付けについては全くユーザ側からは見えない部分であることから、その信憑性についてどのように保証するかという点も重要になる。
現状でも、大規模なデータベースを構築するには、多大な費用と労力を要するが、それ以上のものを低価格でいかに信頼性を高く作るかが、あまり注目されていない隠れた大きな課題である。
プライバシーの保護
最近ではRFタグに搭載される記憶素子の容量と機能(読み書きなど)は増加傾向にあり、トレーサビリティ情報が直接記載されるケースもあるため、それらを不正に組み込まれた場合は個人情報の漏洩にもつながる。
考え得るトラブル
タグが付いている服を着て街を歩けば、その人がどのブランドの、どの素材を使った、どんな価格の物を購入したのかが周辺に判ってしまう。
SuicaやPASMOといったRFIDカードなどをポケットに入れていたりしている場合には、RFIDリーダーを持って近づけば個人情報を所有者に知られずに取得できるため、個人情報の入手がRFID普及前に比べて容易である。
所持品が紛失した場合は所在を調べるのに役立つが、個人が持ち歩けばその個人の行動経路も第三者に知られてしまう。