気分が変わる葬儀
義理の祖父の葬儀に参列した時の話です。祖父はその土地ではちょっとした有名人だったのですが、葬儀の会場に入ってまず驚いたのは、会場内はもちろん会場の外にも大きなモニターが数台。
こんなに故人の遺影をいろいろなところにと最初は思ってました。会場に入りきれない人のために設置されているんだろうな位に思っていたのですが、違いました。
最近の葬儀では遺影などのデジタル化がされていることが多くなりましたが、実際に見るのは初めてだったので昔の写真もきれいに加工されていて驚きました。葬儀が始まって祭壇のところの写真以外は故人の歴史をまとめたスライドショーが流れ始めました。
親族は故人がなくなってから葬儀までバタバタしてしまって、ゆっくり悲しんでいる場合ではないですけど、そこで思わず葬儀の会場は涙の渦に包まれます。それもそのはずです。
ただスライドショーが流れているならそこまでにはならないでしょうが、司会の方がスライドショーに合わせて故人がいつどこで生まれ・結婚・子供が生まれたとき・仕事風景・リタイアした後の趣味として俳句の会、書道の個展・内閣総理大臣から頂いた賞など、なくなる直前までを感情豊かに紹介してくれるのです。ちょっとした故人の生い立ちを映画にしたような感じです。
そこまで馴染みのない人でも、このナレーションを聞くと故人のことがよくわかるような感じに仕上がってました。葬儀の合間にこのような演出があるだけでも驚きですが、スライドショーが終わった後に俳句の会のお仲間数人が今の気持ちということで、俳句を読み上げてました。
私は俳句がわからないのですが、おそらくお別れの句なのだと思います。よくあるお別れの言葉はその代わりありませんでした。
最近の葬儀も演出が凝っていて、今までの私の思い描いていたお葬式のイメージを覆されましたが、今後はこのようなデジタル化された部分を含んだ故人を見送るスタイルにどんどん移行していくのでしょうね。近年では本人がこんな葬儀をしたい、こんな形でお世話になった人や仲の良かった人・家族に見送ってもらいたいという思いから、自分が元気なうちに葬儀のプランを立てて葬儀社に予約するのが流行っているそうです。
その際には、打ち合わせでシュミレーション映像を用いて自分が望む形に近い葬儀ができるようになっています。しかし、なぜ今は生きている間に自分の葬儀のことを考えるのか不思議になってしまいます。
人間いつ何があるかわからないが、お世話になった人にお礼を言いたいのであれば、普段から感謝の気持ちを表していれば良いのではないかと思います。後はもしかしたら、残された家族が悲しみに暮れてどうしていいかわからなくなってしまう可能性もあるので、迷惑をかけない為に自分で最初から準備しているのかも知れないですね。
実際に私の近しい家族が旅立ってしまったときに、故人の希望で家族だけでの自宅葬だったのですが、どのように葬儀の手配をしたらいいのかわからずに家族でアタフタしてしまった記憶があります。病院から遺体を引き取るにしても自家用車で運ぶ訳にもいきませんからね。
引き取った後にもお寺からお坊さんをどうやってお呼びしたらしたらいいのかなど分からず、もしかしたら失礼があったかもしれません。だからと言って、練習などできるものでもないですし、何度か経験したから慣れるというものでもないですよね。
お祝い事と違って、人を見送らなければならない、まだ故人の死を実感できずに動揺もしている状況で冷静になる方が難しい。そういったことを踏まえると、本人が自分の見送られ方など前もって葬儀の相談して決めておくのはいいのかもしれない。
家族に迷惑をかけたくないと思っている人なら尚更かもしれません。自分の元気なうちに葬儀の予約をし、このような形で見送られたいなど、文章にして家族に預けておくのかもしれないですね。
そうすれば、少しは家族にも心のゆとりができて故人をゆっくり偲ぶことができるのかもしれません。昨年の話ですが、私は義理の祖父の葬儀に孫の嫁として参列してきました。
祖父とは生前に2度ほどしかお会いしたことがなかったのですが、とてもお元気だったのに最後にお会いした4ヵ月後には旅立たれてしまったことにとても驚きました。葬儀は祖父の生前の功績を称えるかのかのようにすごかったことが未だに記憶に残っています。
その土地土地の風習や宗教の違いでもだいぶ違うので大変なのですが、長男の嫁がこき使われる風習が残っているので、長男の嫁と呼ばれる人はみんな大運動会状態でした。ちなみに私もその中の一人でした。
少しそこの風習を紹介すると、まず納棺の際には病院などの施設で体を洗ったりして清めると思うのですが、そこでは葬儀の数時間前に簡易バスタブが持ち込まれ親族全員で少しずつ個人の体を洗って清めます。この後に納棺の儀式が行われました。
亡くなってすぐ葬儀だったので、そういう方法が取られたのかも知れませんが、非常に驚きました。そして棺の中に喪主と義理の祖父の子供たちは花の付いた立派な短冊にメッセージを書き、それ以外の親族と参列者の中で希望される方は千代紙の裏にメッセージを書いた後に鶴を折って棺の中に納めます。
もちろん最後にはたくさんのお花も納めます。一例を挙げるだけでも私の家の葬儀とは異なるので戸惑いました。
他にもたくさんあるのですが、葬儀も終わり火葬場に向かうために車に棺を乗せる際にも違いがありました。車の前で男性陣が棺を抱えて、右に3回左に3回回ってから車に乗せるのです。
これは地域的なものなのか、宗教的なものなのかはわかりませんが、抱えて回る男性陣はもう若いとは言えない祖父の子供たちと孫なのでフラフラしながら回ってました。私は落としてしまうのではないかと冷や冷やしました。
同じ日本なのに住んでいる土地によって葬儀の内容や、風習の違いがあることに驚きと戸惑いがありましたが、私にとっては嫁修行の場として義理の祖父の葬儀は大変勉強になりました。
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